最近聞かない「裁判員制度」のこと

裁判だから守秘義務ってあるの?

裁判員制度は、裁判員として選ばれた国民が、プロの裁判官とともに、重大な刑事事件についての事実認定や量刑を決める仕組みであるため、そこには裁判の公平性を保ち、審理を円滑に進める上での一定の決まりごとが存在します。

裁判員制度を定めた法律では、裁判員の義務として、「評議の秘密」や「職務上知り得た秘密」を漏らしてはならないという、いわゆる「守秘義務」の規定を設けており、これは現在裁判員になっている場合のほか、裁判員を辞めた後についても同様となっています。

この法律でいうところの「評議の秘密」とは、裁判員と裁判官による評議の場で誰がどのような意見を述べたのかということや、特定の意見に対する賛成者・反対者の人数、最終的な意見の取りまとめである評決に至るまでの過程、評決の際の多数決の人数などが挙げられます。その他の「職務上知り得た秘密」とは、裁判員個人の名前や、評議の際に裁判員に提示された記録に書かれていた事件関係者のプライバシーにかかわる事柄などが挙げられます。ただし、刑事裁判の法廷で見聞きした事柄については、裁判は原則として公開の場で行うこととなっているため、裁判員制度のなかでの「守秘義務」の範囲には含まれません。裁判員制度によって裁判に参加した個人としての単なる感想など、そもそも秘密とはいえないようなものについても同様です。

このような「守秘義務」を破った場合には、法律により、裁判員を解任されることがあるほか、6月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性もあります。

しかしながら、この法律に「守秘義務」の規定があることによって、裁判員が評議の場で自由に発言することができたり、実際の判決と評議の場での意見が異なるようなときでも世間の無用の誤解を避けることができます。また、不用意に裁判員の名前が公開されないことによって、事件にかかわる関係者からの報復などを心配する必要もなくなります。

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